小児科
小児科
産まれたての赤ちゃんから思春期までのお子様の様々な病気の診断、治療や予防する科です。大人と同じ病名や症状でも、まだ身体の機能が完成していないお子様では治療や薬が違うため慎重に判断することが大切です。
院長は長年お子様の治療や手術をしてきており、近隣の藤田医科大学岡崎医療センター小児科でも勤務していました。そのため丁寧な診断、治療を行えます。
お子様はうまく症状を伝えられないこともあり、ご家族様の「いつもと違う」といった直感が深刻な病気の発見につながることも多々あります。
ちょっとでもご心配なことがあればお気軽にご来院ください。お子様と寄り添い、一緒に病気と向き合っていきましょう。
またお子様のお悩みは何でも相談してください。日常生活や育児の相談、発達相談、予防接種もお受けしております。
当院では採血やアレルギー検査ともに指先を少しちくっとし極少量の血液のみで検査することができるため、お子様のご負担を少しでも減らせれるようにしています。
また、お子様とご家族様がお靴を脱いでお待ちいただける個室待合室が2部屋あります。診察の待ち時間、予防接種の待機時間、感染が心配な方、授乳などどうぞお気軽にご利用いただけます。
子どもがいつもと違う様子を見せると、それが大事なサインになることがあります。お子様の具体的な不調や悩みがあれば、どんなことでもお気軽にご相談してください。
ウイルスや細菌が身体に入ると熱に弱いウイルスなどをやっつけるために自ら体温を上げて戦おうとします。
普段より平熱が高いため37.5℃程で発熱といいます。
産まれた赤ちゃんはお母さんの免疫で身体は守られていますが、6ヶ月過ぎると免疫が減り、発熱することが増えてきます。その後様々なウイルスに触れることが初めてのため風邪をひき、熱をだします。そして、だんだんと免疫をつけて身体を強くしていきます。発熱の原因は風邪、扁桃炎、気管支炎、インフルエンザ、はしかやおたふく風邪、水ぼうそう、熱中症などです。疲れたり、興奮しただけでも熱が出ることがあります。
ウイルスや細菌と戦うため自分で熱を上げているため無理に熱を下げることはありません。しかしずっと泣いている、機嫌が悪い、眠れない、食事や水分がとれない、頭や関節が痛いなど熱による不調がある場合は和らげてあげるため解熱剤を使いましょう。そうすることで重症化を防げ、食事や水分がとれるようになり、体力が回復し治癒へと向かうことができます。解熱剤は座薬、飲み薬があり相談して選びます。
解熱剤などを使って1~2日間様子をうかがうのも悪くないですが、ご心配だと思います。無理せずに受診してください。
幼稚園や学校などに通い始め、学期始め、環境が変わるときは体調も崩しやすくなります。お子様の様子を十分にみして、気にしなることがあればお気軽にご相談ください。
熱の上がり始めは、手足が冷たくなったり、寒がりふるえて顔色が悪くなることがあります。このような場合には温めてあげましょう。
暑がるときは首、脇の下、足の付け根などにアイスノンや氷枕をあてます。小さなお子様はじっとしていられないため、無理には冷やさず薄着にして部屋を涼しくすると熱が逃げていきやすいです。冷却シートは冷やす効果はありませんが気持ちよく安心される場合は使用しましょう。口を塞がないように気をつけます。
発熱時に最も大切なケアは水分補給です。熱が出ると汗が出て水分や塩分が大量に失われて脱水になります。水分は少しずつ、こまめに補給するのがポイントです。
経口補水液(OS-1やアクエリアスなど)がおすすめです。しかし、水、お茶、果汁などお子様が飲みたいものなんでもいいです。母乳やミルクを飲んでいるお子様は飲めたら普段通りにあげてください。
体力があればお風呂やシャワーを浴びても大丈夫です。つらいときはタオルで拭いてさっぱりしましょう。汗をかいたら着替えをして汗冷えを予防しましょう。
診療時間内でしたらまず電話相談をしてください。早急に対応いたします。
気管支喘息は常に気道(気管支)に炎症が起きており、刺激が加わった時に気道がさらに細くなり、呼吸困難、咳、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸、顔色や唇の色が悪くなるといった症状が発作性に発生する病気です。1〜2歳頃発症することが多いです。ほとんどは大人になるまでに治ります。
原因はアトピー、遺伝、ダニ、ハウスダストなどアレルギー、たばこの副流煙、激しい運動、精神的な不安など様々です。
喘息の症状を診察し、酸素濃度測定や、必要時ドロップスクリーンでのアレルギー検査です。
治療は喘息症状が出ないようにすること、大人になるまでに治すことを目標にします。
症状に合わせて気管支を広げる内服やテープ、吸入薬、抗アレルギーの内服を症状に合わせて選びます。ステロイドや炎症を抑える薬が必要な場合もあります。
風邪や炎症などでのどの奥が狭くなり、空気が十分に吸い込めなくなったり、オットセイや犬が吠えたような独特の咳が出たりする病気です。悪化することがあるのですぐ受診してください。生後6ヶ月から4歳くらいの男の子に多いです。
原因はウイルスなど風邪から起こります。
症状は突然夜にオットセイや犬が吠えたような咳、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸、かすれ声、苦しそうな呼吸顔色や唇の色が悪いなどです。
治療はのどのはれを和らげるボスミンという薬の吸入をします。効果は短時間のため、より持続的な効果を期待してステロイドの飲み薬を処方します。痰を出しやすくする薬や気管を広げるテープもあります。
家では大泣きすると悪化することもあり、できるだけ安静にしましょう。呼吸をしやすく加湿をしたり、横になるときは首の後ろに枕を置きのどの通りをよくすると楽になることがあります。
「胃腸風邪」とも呼ばれウイルス、細菌、寄生虫などが胃腸に入り炎症を起こします。
潜伏期間は1〜3日程で、症状は嘔気、腹痛、嘔吐から始まり発熱、下痢に移行します。ロタウイルスでは白い便が出ます。症状がひどくなると下血や脱水も起こします。
原因はロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス、O-157、アニサキスなどがあります。ウイルスなどが付いた手で口に触れたり、感染した牡蠣や生焼けの肉・魚など食べ物を食べた方からの感染です。
検査は迅速キットにてノロウイルス(3歳未満)、ロタウイルス、アデノウイルスを調べられます。
治療は、脱水を防ぐためにこまめな水分補給、安静、整腸剤飲み薬などです。脱水が進んでいる場合は点滴を行います。吐き続ける、ぐったりしてきた、血を吐いた、血の便があったときは早急に受診してください。
予防はロタウイルスのみ予防接種があります。定期接種とは生後6週から接種を受けることができます。
片付ける時は使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用し薄めた次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)で広げないように掃除をし、掃除後は石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
嘔吐から2時間は飲まずにおなかを休ませます。その後小さじ1杯分の水分を飲んで10分間吐かなければ少しずつ水分を増やしていきます。途中で嘔吐した場合はもう一度時間を空けてから水分をとります。
経口補水液(OS-1やアクエリアスなど)がおすすめです。水、お茶、果汁などお子様が飲みたいものを飲んでください。母乳やミルクを飲んでいるお子様は量を調整して飲ませてください。
食事は水分を50~100ml飲めるようになったら、うどんやおかゆ、すりおろしりんごなど食べられるものを開始します。食欲がなければ無理に食べさせず、水分をしっかりとりましょう。
吐き気がなければ、十分に水分をとってください。下痢がひどい時には脂肪分が多い食事は控え、いつもより細かく刻み、柔らかく調理したもの少量ずつを数回にわけて食べます。ミルクや母乳は飲めたらいつも通り飲んでもらいましょう。
インフルエンザウイルスによって起きる風邪の一種です。
ウイルスにはA型とB型のウイルスがあります。普通の風邪より強い症状であること、お子様は免疫力が強く悪化しやすいこと、人へ感染しやすいので注意が必要です。
潜伏期間は1~3日、症状は38℃以上の突然の高熱、頭痛、だるさ、からだの痛みなどが現れ、その後咳、鼻水、喉の痛みが出ます。およそ1週間で軽快します。悪化すると肺炎、脳症を引き起こします。
検査は迅速キットでインフルエンザかをすぐに調べられます。(発熱から12〜24時間たたないと陰性と出ることがあります)
治療はインフルエンザ治療薬(タミフル、イナビル、リレンザなど)を使います。痰を出しやすくする薬、熱や痛みをとる薬(カロナールなど)、鼻水を抑える薬など症状に合わせて処方します。
発熱時のホームケアは発熱の項目をご覧ください。高熱によりうわごとを言ったり幻覚が見えたり走り回ることがあります。安全確保をして様子を見てください。1時間以上続く場合は脳症の可能性もありすぐ受診してください。
予防接種は絶対必要ではありませんが、通園、通学しているお子様はインフルエンザをもらいやすいので接種すると安心です。お子様は2回にわけて接種します。
熱が出てから5日が経過している、かつ熱が下がって2日(乳幼児は3日)が経過していることです。
登校許可書や解除証明が必要な場合はお申し出ください。
2020年より流行した新型コロナウイルスに感染して発症します。
潜伏期間は1〜14日。
症状は発熱、せきは多く、鼻水はあまり出ないです。嘔吐や下痢、熱が上がるときにけいれんする方もみえます。お子様は肺炎になりやすく、息が苦しそう、ぐったりしているときはすぐに受診してください。
検査は細い綿棒で鼻の奥の粘膜をこすり検査し10分ほどで結果がでます。症状に合わせて血液検査やレントゲンをとります。
12歳以上のお子様には抗ウイルス薬(パキロビット、ゾコーバなど)の飲み薬があります。身体のつらい症状を和らげる薬を使います。熱を下げる解熱鎮痛剤、鼻水や咳を和らげる薬もあります。
検査で診断されてから5日間が経過し、かつ、症状が治まった後1日が経過したら登園・登校できます。
登校許可書や解除証明が必要な場合はお申し出ください。
溶連菌がのどに感染して扁桃炎や咽頭炎を起こす風の一種です。3〜15歳のお子様に感染しやすいです。
症状は突然の38℃以上の高熱(3歳未満は熱が出ないこともあります)、だるさ、体や手足に小さく赤い湿疹、舌やのどにイチゴのようなぶつぶつができる、のどの痛み、腹痛、嘔吐などです。普通の風邪とは違い咳や鼻水は出ないことが多いです。
検査は迅速キットで溶連菌かをすぐに調べられます。
治療は熱やのどの痛みといった症状を和らげるお薬のほかに、抗生剤を処方します。しっかりと菌を退治するために抗生剤は熱が下がっても処方通り飲み切ってください。
のどに痛みが強いときはオレンジジュースなど刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たい飲みものがおすすめです。(麦茶や牛乳、冷めたスープなど)
食べものは刺激が少なくかまずに飲み込めるものが食べやすいです。(ゼリー、プリン、冷めたおかゆ、豆腐、アイスなど)
抗菌薬を飲みはじめてから24時間以上たって、熱が下がっていれば、登園・登校できます。
ヘルペスウイルスが原因で生後6ヶ月頃から2歳までに発症することが多い病気です。
潜伏期間は10日ほど、症状は突然38℃以上の高熱が3日ほど続きます。他に咳、鼻水、腹痛などの症状が出ません解熱後に全身に小さな赤いぶつぶつが多数が数日間出ます。かゆみや痛みなどないのですが、ぶつぶつが出始める頃から、不機嫌になるお子様が多く不機嫌病ともいわれています。
検査は血液検査もありますが時間がかかることと自費であり、ほとんど行いません。
後遺症を残すことなく1週間程度で自然治癒する病気ですが、熱が上昇する際に熱性けいれんを起こすこともあります。解熱剤を処方します。けいれんを起こしやすいお子様は予防薬もお出しします。
熱が下がって、食欲ももどって、ある程度元気になれば、発疹が残っていても登園できます。
麻疹ウイルスが原因の病気です。一度麻疹ウイルスに感染したり予防接種を受けたりすると免疫ができるため麻疹を発症することはないです。初めて感染した場合や免疫がなくなった場合には発熱、咳、鼻水、目の充血、赤くかゆみのある湿疹の症状が出ます。
重症化すると肺炎や脳炎など重症化したり、乳幼児などでは命を落とすケースもあります。そのため、日本では“1歳児”と“小学校入学前1年間の幼児期”に1回ずつワクチン接種をすることが定期化されています。忘れずに予防接種を受けましょう。
熱が下がってから3日間経過すれば、登園・登校できます。
アデノウイルスが原因の夏風邪の一つです。プールの水を介して感染が拡大することが多いので、プール熱とも呼ばれています。
潜伏期間は、2〜14日。症状はのどの痛み、目の充血、目やに、突然39℃前後の発熱や頭痛や食欲不振が数日続きます。高熱なのに元気がある場合もあります。
治療は熱や痛みをとる解熱鎮痛薬、目やにや充血には抗生剤やステロイドの点眼薬、眼のかゆみが強い時には、かゆみ止めやステロイドの点眼薬を処方します。
のどに痛みが強いときはオレンジジュースなど刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たい飲みものがおすすめです。(麦茶や牛乳、冷めたスープなど)
食べものは刺激が少なくかまずに飲み込めるものが食べやすいです。(ゼリー、プリン、冷めたおかゆ、豆腐、アイスなど)
熱が下がって、目の充血が治って2日が経過したら登園・登校できます。
登校許可書や解除証明が必要な場合はお申し出ください。
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスが原因の夏風邪の一つです。5歳以下のお子様がかかりやすいです。
潜伏期間は、3〜6日。症状は手のひら、足のうら、口の中に水ぶくれができ、1〜3日間発熱します。水ぶくれはやぶれると痛がり、水分や食事をとれなくなります。1〜2ヶ月後に手足の爪がはがれることがありますが、すぐに新しい爪が生えます。まれに髄膜炎・脳症を引き起こすため、高熱や頭痛、ひきつけ、嘔吐などの症状が出た場合は、すぐに受診してください。
口の痛みや熱を解熱鎮痛薬で痛みを和らげたり、粘膜保護の軟膏を処方します。
のどに痛みが強いときはオレンジジュースなど刺激のあるものは避け、のどごしの良い少し冷たい飲みものがおすすめです。(麦茶や牛乳、冷めたスープなど)
食べものは刺激が少なくかまずに飲み込めるものが食べやすいです。(ゼリー、プリン、冷めたおかゆ、豆腐、アイスなど)
熱がなく元気で、ふだんの食事がとれる場合は、登園・登校できます。
ムンプスウイルスが原因で、頬の外側の耳下腺という場所が腫れる感染力の強い病気です。一度感染すると免疫がつきますが、予防接種の効果が薄れると発症することがあります。
症状は発熱、耳の下から頬やあごなどのはれと痛み、頭痛、ふるえ、食欲不振です。1週間程で治まります。
大人で感染すると高熱になり精巣炎、髄膜炎になりやすく注意が必要です。
2歳まではおたふくかぜにはかかりにくいといわれています。予防接種は1歳から始まります。
熱が出てから5日間経過して、熱が下がって食欲ももどって、ある程度元気になれば登園・登校できます。
マイコプラズマが肺に入り肺炎となる病気です。赤ちゃんにはあまり見られず、学童の子どもがかかりやすいです。
初めは軽い咳、鼻水、発熱で風邪の症状が出ます。次第に咳が強くなり、高熱、だるい、眠れなくなります。
検査は胸のレントゲン、必要なときは採血をします。
治療は熱やのどの痛みといった症状を和らげるお薬のほかに、抗生剤を処方します。しっかりと菌を退治するために抗生剤は熱が下がっても処方通り飲み切ってください。
熱が下がって、咳も落ち着いて、主治医の許可があれば、登園・登校できます。
水痘・帯状疱疹ウイルスにより全身に水ぶくれができる感染力の強い病気です。
潜伏期間は2〜3週間。症状は発熱とともに全身にかゆみのある水ぶくれができます。水ぶくれの始めは小さな発赤の湿疹が次第にふくらんで水痘になり、かさぶたになって治ります。近年予防接種を受けるようになったので症状が出ても軽症ですむことが多いです。
検査は症状だけでなく、迅速キットですぐ調べられます。
治療は抗ウイルス薬、痛みや熱を解熱鎮痛薬で痛みを和らげたり、かゆみどめの軟膏を処方します。
予防接種が一歳から始まるので受けましょう。
全ての水ぶくれがかさぶたになるまではお休みしてください。
登校許可書や解除証明が必要な場合はお申し出ください。
川崎病とは全身の血管に炎症が起きるお子様だけの病気です。
原因不明ですが、ウイルスや細菌に感染して身体の免疫が反応しすぎてしまうのではないかといわれています。
6つのうち5つ以上当てはまる場合、川崎病と診断します。
そのほかの症状は身体の痛み、下痢です。
一番問題となる合併症は心臓の血管に動脈瘤というこぶを作ってしまい、今後心筋梗塞を起こしやすくなることです。
川崎病が疑われた場合には、早急に専門病院へご紹介いたします。そこでは炎症をおさえ心臓の合併症を残さないことを目的として治療を行います。免疫グロブリンの点滴、血の塊ができるのを防ぐ薬、血管の炎症を抑えたりする薬の飲み薬を飲みます。
赤ちゃんは免疫が弱く、感染症にかかりやすくて重症化しやすいのです。お子様がかかりやすい病気はたくさんありますが、その中でも重い後遺症を残したり、命に関わるような病気に対してワクチンがあります。早い時期から病気から身体を守るため予防接種が効果的です。
冬に流行するインフルエンザやコロナにも予防接種があります。
予防接種にはこのような種類があります。
適切なタイミングで忘れずに接種するようにしましょう。
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日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール(2024年4月改訂版)
2024年4月から5種混合ワクチンと15価肺炎球菌ワクチンが始まります。